第九話 現想―其の四―

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くれると言っていたが、なんだか悪い気がして、お湯に浸して着いてしまった血を丁寧に洗った。 その後、洗濯機に入れてボタンを押す。 手ぬぐいはやっぱり返そう。 本当は返すのを口実にまた藤本さんに会いたかった。 友達って知り合いから昇格したと思えば悪くない。 別に友達止まりって言われた訳じゃないんだし……。 もっと、自分に自信が持てたら良いのに―。 洗濯機の中をくるくると回る手ぬぐいを見つめながらそんな事を考えていた。
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