第一話 初見

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もしかしたら、心の奥底で眠っている結婚願望が知らない間に膨らんで幻を見せたとか。 そこまで頭はおかしくなっていないと思いたいが、あの男の恰好や整った横顔を思い出すと自分の作り出した幻想だったのではと私は真剣に考えてしまった。 「……まさかね。」 小さな声でぼやいてみる。 もしまた会えたなら幻想かどうかわかるのではないかと、酔って回らない頭で考えながら明け方私は眠りについた。
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