第二話 奇遇

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そこまで読んで、添付されている写真に目が留まる。 その写真の人物は、私が一昨日コンビニで会ったあの男だったからだ。 驚きながらも、彼の略歴に目を通す。 藤本草士・・・老舗古本書店である藤本書店の若店長。 整った今時の顔立ちとは裏腹に普段着は着物という不思議な青年。 彼見たさに書店に通うファンも多い。 あまりメディアに出ない彼の素顔に迫る。 フジモトさんっていうのか。 夢じゃなかったんだと思った瞬間、隣からサヤカが顔を出した。 「なに?リョーコって藤本さんみたいのタイプだっけ?」 「え?ちょっ、違うわよ!ただ、ちょっと面白いなって思って……」 「藤本さん、ちょっと変わった感じだけどさ。顔はすんごいカッコイイよね~。」 「確かに……。」 「少しはリョーコやる気になってくれた?」 「そうね。ちょっとは。もう取材のアポ取りとかは終わってるの?」 「この3人にはとりあえずOKもらってて、服部さんは水曜日に取材に行く予定なの。 だからそれまでにリョーコには一緒にコラムの構成考えほしいんだけど……。 第二回目の本間さんと三回目の藤本さんの取材には来週以降行くことになってるんだ。 取材、リョーコも一緒についてくる?」 「また急だなぁ。とりあえず第一回目は構成だけ一緒に考えるよ。     
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