幕開け

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狭い道を抜けると、そこには一軒の家があった。 「こんな場所あったっけな…」 俺の名前は鳥賀 漢。 高校1年生だ。 両親は既にいない。 「漢」という漢字はぜんと読む。 この漢字の意味にあますことのない人、全人、全能、完全などの意味がある。 でも、俺のテスト…これが問題だ。 定期テストではいつも25点~35点を彷徨っている。高校では30点未満を「赤点」という。この点数を取り続けると留年となってしまうそうだ。 いや、中学の時までは成績上位の方だったんだぜ?でも、中学の時と同じような勉強方法を取っていたら……詰んだ。 そして何より家で勉強するっていうことが面倒くさい!これが一番の問題点なんだよなあ。 面倒くさがりなんだよ……ごめん。 何でテストってあるんだろうな!!意味わかんねえよな!! まあそんなわけもあって今俺は猛烈に子供の時に戻るか、他のテストとかが一切ない世界に行きたい。 そんなこととか空の夕焼けが青紫色できれいだなとか思いながら帰路についてたわけなのさ。 そしたらね?家の前に見たことのない不思議な道ができてたのさ。 もう家には15年も住んでいるのに見たことのない道なんて家の前にあるか?ふつう。いや、ない。 六分の恐怖と四分の好奇心に駆られて俺はその不思議な道に入った。 狭い道を歩くこと数分、少し開けたところに出る。 するとそこには、一軒の古い家があった。 目の前にある一軒の家。 (こんな家あったっけな…) 看板が汚れていてよくわからないが、「屋」という文字が確認できたので、きっと何かの店なのだろう。 入ってみよう。何か惹きつけられるものを感じるんだ。 俺は重い引き戸を開けた。 「ッ…!なんだこれは!!」 そこにあったのはこの世のものとは思えない道具類。俺の身長より大きな杖や剣などがある。 ふと、奥から人の気配を感じる。 恐怖より好奇心が勝り、奥へと歩みを進める。 「ッッ…!!」 そこにいたには……老人だ。 白い髭と髪の毛を生やしたザ・老人って感じの老人だ。 「……あのー…こん…にちは…?」 勇気を出して声をかけてみる。
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