暗闇に、二人

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暗闇に、二人

 深夜の警視庁。俺は誰もいない薄暗い喫煙室で煙草を吸っていた。  大きな殺人事件の捜査中だ。仲間たちは日中の仕事に疲れて、慣れない布団で眠っている。なんとなく目が冴えてしまい、静かに時間が流れるのに身を任せ、紫煙を燻らせる。   「眠れないのか?」  降って湧いた声に、ゆっくりと視線をそちらへと向ける。
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