暗闇に、二人

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「……お疲れ様です」 「二人きりなんだから、敬語なんて使うなよ」  上質なスーツに身を包んだ栗山がいた。元、バディ。現在、上司の同期生だ。  栗山は他に誰もいない喫煙室に入ると、小さなテーブルに肘をつき、端正な顔を手のひらに乗せる。 「俺にも一本」 「止めたんじゃないのか」 「今は誰もいないから」 「俺がいるじゃないか」 「お前は誰にもしゃべらないよ」
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