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※ ※ ※
「次の大会ではぜーったいにレギュラーになってやる」
「……え?」
「『え』じゃねぇよ。レギュラーだよ、レギュラー。わかりますか―?」
自転車を押しながら、良和が口を尖らせる。
あれ……?
「良和……生きてる……」
「はぁ? なに訳わかんねーこと言ってんの?」
「良和、生きてる!」
「うわっ、ちょっ、なんだよ馬鹿! 生きてちゃ悪いのかよ!!」
「悪くない!」
何が起こったんだろう。
理解は出来ないけれど――良和は、生きている。
わたしたちは坂道を下りていた。学校から、自宅へと向かう道の途中だ。この先に交差点があり、良和が『命を落とした』横断歩道がある。
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