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加賀美は実は亡くなった真澄に対して単純に悲しいとか気の毒だとかだけで済まない感情を隠し持っていた。 つまり、真澄が不注意で事故死したために、自分までがとばっちりを受けてデビューできるところができなくなった。死んだ人間相手にどうしようもないが、正直「許せない」と思っている。だか そう思ってもう一回、発見された映像を見直す。が、今度はさっきまでいたはずの真澄の出番が消えてなくなっている。 それから、匡は未撮影の部分を改めて撮影したいと言い出す。いまさら完成できるわけでなし、思い出したくないと加賀美は拒絶するが、匡はあきらめない。もともと匡と加賀美は昔関係していたこともあって、加賀美は根負けして撮影に入る。 しかし、匡の様子がどうもおかしい。どう見ても加賀美の「相手役」がいるような調子で誰もいない空間に向かって演技指導らしき発言をしたりする。あるいは加賀美が匡の言葉に従おうとすると、「悪い、君に言ったんじゃない」と訂正したりする。
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