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「私も行きます。陛下はすぐ面倒だからと大きな魔法を使うでしょう?」
「うじゃうじゃ出てくるからだ。それに街では使ってないぞ?」
「当たり前です。前に燃やすと言って何されました?森の1部が枯れ木ですよ?全く加減というものをもう少し……「うるさい!」
「陛下、夫婦喧嘩はそのくらいにして、部隊の配置の方を」
「あぁ、転移は私がさせる。その後四方で囲んでくれ。雑魚は任せる」
「はっ!」
「中庭に集めておいてくれ。準備出来次第すぐに行く」
夫、ユーリの肩をポンと叩き、話は終わりだと合図して準備に取り掛かる。
長くて綺麗な栗毛色の髪を靡かせ、黒の服を身にまとっている姿は、人間界で着ていたような服ではなく、機能性だけを重視した戦闘服。
女王としてのドレスをほとんど着もせず、毎日戦いの連続だ。
そろそろ万能薬も切れるし、傷薬も作っておきたい。
兵が集まるまで少しは時間があるだろうと、髪を一つに括り、愛用している大鍋の前に立つ。
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