呪いの包丁

2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
その包丁は、人を怨んではいなかった。 ただ豆腐への好意であり、自信のなさ故の遠慮だった。 人の手の上で身悶えする豆腐の姿が辛すぎて、包丁は、役目を終えると脇目もふらず、手のひらを急ぎ横滑ってゆく。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!