僕が怪獣になった

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「あんたよく電報堂なんかに受かったわねぇ。」 「だって受かったら真由美ちゃんが付き合ってくれるって言うから…」 「はああ‼考えてあげるっ‼でしょ‼それにしてもあんた…他にも可愛いコいっぱいいたのに、わき目も振らず、あたしにばっかしつこいわね。」 「ぇぇぇ。まゆちゃんだって引く手あまたなのに誰にもなびかず、就職しちゃうなんて…もしかして…」 「もしかして…なに?」 「女の子が好き…とか?」 「…………………………」 「…………………………」 バシッ‼ 「痛いってぇまゆちゃん………」 「キャハハハ‼」 「まゆちゃん‼付き合って下さい‼」 「無理ぃ~‼あたしは今漫画家になるのに必死なのです‼」 「そんなぁ…」 いよいよミサイル撃つ気かな…僕は思うんだけどさ…特撮映画みたいにはいかないな…怪獣にミサイルが効かないなんて、あれは平和な時代のおとぎ話みたいなものだよ。今のミサイルをがんがん撃たれたら、怪獣なんて簡単に死んじゃうな…きっと…人類の武器、火器は質も量ももうとっくにリミッターを振り切っているんだよな…だけど…一体誰がそんなにたくさんの人を殺したいんだろうか… 「CQ‼CQ‼こちら作戦本部全隊員に告ぐ‼只今より総攻撃を開始する。照準を定めよ――秒読み―――54321発射‼ 怪獣の僕に向かって、一斉に集中砲火が始まった。ひっきりなしに撃ち込んでくる。 (痛い‼痛い‼痛いってぇ~‼) ガオー‼ガオーー‼ 一斉砲射は止まない あまりの痛みに僕は大声を上げた (やめて‼やめて‼やめてぇ~‼) ガオー‼ガオー‼ガオーー‼ それでも僕はとても慎重にかつ冷静に強い炎を吐いたようで戦車の砲台だけをことごとく溶かした。コブラの方も逃げるように帰っていった。 時間を稼げたけれど… (真由美ちゃんに会いたい…) ガォ…
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