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トイレで用を済ませた大吾は、コーヒーを片手に思い耽った。
憧れの対象だった雪を、いつからこんな邪な目で見るようになってしまったんだろうか、と。
初めて彼女が出来たと嬉しそうに報告してきたとき?
ホラー映画を見た後、二人でシーツの中で怖がっていたとき?
砂場に造った山のトンネルの中で、ひっそりと手を繋いだとき?
もう随分と長い間、報われない気持ちを抱えて生きてきた。
優しい雪は、笑って一人になった大吾を受け入れてくれたけれど。
「このままで良いわけがねぇ」
こんな邪な感情を抱いたまま、雪と過ごすなんて。
ふとした瞬間、押し倒しそうになってしまうなんて。
そんな気持ちを知られたくない。
これ以上、自分を抑えられる自信のない大吾は、この日バイト先を探し始めた。
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