第1章 ドラゴンの食事

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「そうですね・・・。コボルトは体長が人間の腰ぐらいまでの大きさしかなく、犬のような頭、鍵爪のような鼻、頭頂部にはツノが生えています。群れで生活することが多いみたいです。また、強いものの下に集まって、そのものに仕えるようなことをすることもあるみたいです。力は強くないので簡単に退治できますよ」 「ふむ。そうだった。それにしても俺たちに仕えてくれれば楽なのにな」 「そうもいかないのでしょう。私たちは人間ですから」 「それもそうか」 「来たよ!」  優姫はスラッと刀を抜く。 「コボルトはざっと十匹くらいか?」 「その様ですね」 「それじゃいっくよー!」  優姫は単身、何の魔法も使わず突っ込む。 「おい、優姫!いい加減魔法の練習しろよ!」 「やなこった!」  優姫は振り返らずそう言った。  ゲルルル!ゲル!ゲルル!  コボルトは俺達にはよくわからない言語で話しているようだ。そうして、先頭にいるコボルトが先に動き出した。 「それじゃ、いっくよ~!」  優姫は動き出す。先頭のコボルトは一刀で切り捨てられる。やはり、身のこなしがすごい。剣道全国大会優勝。天才と言われていただけはある。素人目にも、無駄のない動きをしていることが分かる。常に次の手を考えながら動いているのだろう。一振り一振りがコボルトの弱点を狙いすまし、一撃でコボルトの息の根を止めていく。  おっと、背後に回られそうだな。俺は茂みにいるコボルトを見つける。 「水鉄砲(ウォーターショット)!」  俺の放った水弾は狙いを付けたコボルトにまっすぐ吸い込まれていった。  ゲルゥ! 「よし」 「ふぃー終わったよー」  もう終わったのか。ふむ、やはり強いな、優姫は。俺が戻ってくる優姫の後ろをのぞき込むとコボルトたちの死体がゴロゴロ転がっている。全員一撃で葬ったようだ。俺はちょっと優姫の事が怖くなる。 「優姫さん、怪我は?」 「あ、転んでひざ擦りむいちゃって」 「わかりました。治療(キュア)」  涼香はにっこり笑って優姫の膝を撫でる。おい、優姫。お前、結局また転んだのか。やはり優姫は優姫か。
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