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「まぁまぁ、これでお昼ご飯はなんとかなりそうですね?」
「よし、優姫、切り分けてくれ」
「がってん!承知の助!」
優姫は腰にさした刀を抜いて、スパスパと大きな実を切り分ける。元剣道部だったらしく、刀の扱いはうまい。刀自体は落ちていた。いや、本当はよくわからんところに刺さっていたやつを優姫が勝手に持ってきただけだ。手入れはしているものの、素人の適当手入れだから、いつ折れるかわからない。俺は早く魔法を習得してほしいんだが。
何気なく俺は実の内部を見た。中身は真っ青な色合いで種もたくさん入っているような食欲を全くそそらない果肉だった。なんてまずそうな。
「うわぁ!おいしそう!さあ、食べよう!」
お前の目、バグってんじゃないか?だが、優姫も涼香もリュックを置いてキャンプの準備を始める。俺が少数派なのか!?結局俺も何も言えず、石と枝を集め、簡単な囲炉裏のような場所を作ると、火打石で火をつけその横に座る。優姫が俺と涼香に木の実のかけらを渡してくれ、俺たちはその実を頬張り始める。
「種が多すぎるスイカっぽいが・・・。甘味はメロン寄りか?」
「ええ、かなり水分を多く含んでますね。喉の渇きも治りそうです」
「うまい!これ、色はともかく、すっごく美味しいね!」
ああ、あの舌馬鹿である優姫もさすがにこの色合いのやばさはわかっているらしい。なんか安心した。俺たちはしばらく無言で実を食べては口から種を飛ばす作業に没頭した。だいたい、実の半分くらいで俺は腹いっぱいになった。
「ふぅ。にしても魔法の扱いにもだいぶ慣れてきたな」
「そうですね。私も使い慣れてきました」
「ボクはまだ全然」
口の周りが真っ青な優姫は手でそこをごしごしぬぐう。
「そりゃ、優姫が魔法を使う前に刀で解決するからだろ」
「えー。だってよくわかんないし」
「まぁ、優姫はほっておいて、魔法について今わかってることを整理しよう」
「いいですね」
「いいもーん、ボクは魔法なんてなくたって問題ないもん」
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