第1章 ドラゴンの食事

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「通訳?」 「ええ、知らない言語でも聞き取れて話せるようになるみたいです」 「すげぇ。え、それ、超すごくないか?」 「どうでしょう。今のところ使い道はありませんね」 「まぁそうか。果たして今後使える魔法が増えていくのかどうかもよくわからんしな」 「私は増えると思いますよ。魔導書には開いてるページがまだたくさんありますから」 「そうだ、魔道書のページ数が個人で異なってるんだよな。俺は六十ページだし、涼香は五十ページ、優姫は四十ページだったかな?」 「一番少ないからってバカにしないでよ?」 「してない、そんなことより」 「そんなことよりってなんだよぉ!」  優姫がムキーっと怒って見せる。あぶねぇから刀を振り回さないでくれ。 「ページ数の違いも気になるし、そもそもなぜあの日を境に、急に魔法が使えるようになったのだろう?」 「うーん、ページ数に関しては単純に才能の違いのような感じでしょうか。魔法が使えるようになったのはなぜなのか、それについては皆目見当もつきませんね」  優姫は急に立ち上がると俺と涼香に言った。 「みんな!今日は、森のもっと奥まで行ってみようよ!」 「え?なんで?今日の食料はすでに手に入れた。これ以上無理する必要もないだろ」  優姫の顔がぐにゃりとゆがむ。 「ええ?!もう飽きたよ、この生活。毎日、ボクたちの住んでる洞穴からちょっと出では食べれる物をとって食べて戻るだけの生活はもうこりごりだよ!半年もやったんだよ?そろそろ、どっか行こうよ!二人がこないならボク一人で行くもん」  優姫はそう言うと一人リュックを背負ってスタスタ歩来始めた。俺と涼香は顔を見合わせてしまい、思わずお互いにニヤリとしてしまう。 「なぁ、優姫ってほんとに十七才か?なんであんな子供っぽいんだ?」 「どうでしょう、私たちが大人びてしまっただけかもしれませんよ?」 「それは確かにな」
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