突然ですがご近所さんの食料になりました(仮)

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「はー!食った食ったー!」 「お前なぁ…おっさんかよ…。」 「いいんですー!おいしいものの前には誰も勝てないのよ!」 「ドヤ顔で言うことかそれ…。」 朱音に彼氏ができないのはこういうある意味男らしいところがあるからなのだろうと思う 幼馴染とはいえ、異性の前でラーメン(替え玉あり)+チャーハン付きをぺろりと平らげるとは、よっぽどの胆力だ 満足げにラーメンの余韻に浸る朱音に呆れていると、視界の端を見覚えのある一つ結びの金髪が横切った 「あ…東雲さん!」 俺は思わず声をかけてしまった その声に気付いたのか、くるりと目当ての人物が振り返る 「あ、暮橋君。偶然だね、今帰り?」 「あー…今までちょっと友達の用事があって…。」 「何々?誰このイケメン!?」 どうやら東雲さんは朱音の美形センサーにかかったらしく、しきりに俺に聞いてくる 「この人は東雲さん、同じマンションの住人で高校の英語の先生をしているらしいよ。」 「どうも初めまして、東雲玲と言います。君は…暮橋君の彼女さんかな?」 「ちょっ…東雲さん…っ…。」 「私は南朱音って言います!夏樹とは幼馴染っていうか腐れ縁ってだけですよ!大体私は彼氏にするなら、東雲さんみたいなイケメンな人がいいですしー。」 「おい、朱音…。」 「ふふっ、君みたいな可愛い女の子に言ってもらえるなら悪くないかな。」 「東雲さんまで…。」 東雲さんに『可愛い』と言ってもらえたのがよほど嬉しいのか、朱音はキャッキャッと笑いながら東雲さんに話を振る 東雲さんも笑いながらそれに応えていて 俺はただそんな二人の後ろをついていくだけだった
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