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その夜
俺はベッドに入ったもののなかなか寝付けず、意味もなくごろごろと寝返りを繰り返していた
(食料…ってことは東雲さんに血を吸われるってことだよな…)
自分の血を他人に吸われるのだ、普通だったら恐ろしいことこの上ないだろう
思い出されるのは昨日のこと
腕についたすでに薄くなってきた赤色の痕をじっと見つめる
東雲さんの形の良い真っ白な歯が皮膚を突き破る
傷口からは真新しい真っ赤な血液が流れだすが、勢いよく流れ出る血液を一滴もこぼさず東雲さんは飲み込んでいく
東雲さんが血液を飲み込むたびに喉仏が上下する
まるで…
(って俺はなにを思い出しているんだ!?変態か俺は!?)
1人慌てふためいて何故か布団の上で丸くなってしまった
(俺の血を飲む東雲さんがエロかったとか思ってない!断じて思ってない!!)
あくまでも健全に考えるのだ
東雲さんはいわゆる『吸血鬼としての食事』は医療機関に頼っていると言っていた
それは東雲さんが常に空腹で過ごしているということだ
朝から夜まで働いているのに、いつまでたっても空腹が取れないというのには辛いものがあるだろう
だからこれは人(?)助けなのだ
俺の欲望うんぬんかんぬんとは決して関係ないのだ
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