プロローグ***鹿沼おとぎは迷い込む。

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小学生も中学生も、バカらしいことは全部切り捨てて来た。 だから友達は1人もいない……けど別に必要ないもん。 私はきっと孤独がいちばん快適なの。 世界じゅうのひとがいなくなって私一人だけになっても、きっと生きていけるから。 ブロロロ……。 あー……バスの音、うっさいな……。 ……ん?バス? 違和感に気づいた時にはもう遅かった。 「あぁぁぁ!!!!!1時間に1本のバスがァァァァァァ!!!!!」 ……終わったわ、私の新生活。 「ホント……もう何やってんだか…」 あの後半泣きで1時間待って……やっと学校に着いたは良いものの、当然入学式なんかとっくの昔に終わっていたわけで。 本っ当に最悪だ……。 馴れ合いなんて必要ない。それは心の底からそう思ってる。 でも……こういう時、愚痴を聞いてくれる『トモダチ』ってものがいたら少しは楽なのかな。 「もう嫌だ……どっか寄って帰ろっかな」 校則違反ゼロが取り柄の私だったけど、今日遅刻したことで大きく破っちゃったし……もうなんかどうでもいいよ。 ヤケになって歩いていくと、見たことのないお店を見つけた。
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