第2章 今日も今日とて

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第2章 今日も今日とて

 今日も今日とて、僕はマシュマロを頬張りながら窓際で頬杖をついている。今日は苺のジャム入りなのでいつもよりちょっとリッチな気分だ。 「今日の夕飯は何だ、召使いA」  アーニャは相変わらずノソノソとそこらじゅうを這いつくばりながら掃除全般をはじめとした雑務をこなしている。僕にかかれば指先一本だって動かすことなく終わる仕事だが、それがあいつの生業だというのだから黙ってやらせてやろうではないか。慈悲深い僕の御心を知っているのかいないのか、アーニャは目尻を吊り上げて僕を睨み付ける。 「召使いじゃなくてメイド。そこんとこ混同しないでほしいわね」  ツンとすましてそんなことをのたまうメイドに、 「そうは言うが、具体的に何が違う?」 と問いかけると、暫く押し黙った後で「……気分よ!」と怒鳴りつけてきた。頭の悪いメイドだ。    
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