真空
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娘の結納が、5日後に控えた日の事である。 男は夢を見た。 病床に妻が伏していた頃の夢であった。 妻が男に何かを伝えようとしているが、出るのは血の混ざった咳ばかり。 弱り切った妻のその瞳が怨嗟に染まっているのを見て、男は妻から目を逸らした。 男はどうして今更と妻に問うた。 妻は首を振って何かを指差した。 妻の指の方向を見ようとしたところで、目が覚めてしまった。
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