第2章 再会と追憶

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「だって、最後のとき。私ずっと泣いてばっかりで…別れが辛すぎて……。自分の気持ちしか見えていなかったし……、もう二度と会えないなんて思ってなかったし……。 だけど、…5年経った時に思った。大学卒業したはずなのに戻って来ないから…、もう二度と会えないんだって……」  そうだ。  晴馬のお姉さんから聞いた彼の話では、東京の企業に就職が決まったからもうこっちには帰って来ないって。新しい環境に慣れるために必死だ、とか聞いたけど恋人がいることを知った時。……私は本当に、失恋したんだ。  だから、もう二度と会えないことを受け入れて。自分にはもう誰もいないって思って。  高校生活も残り一年になるのに、未だに同性の友達もいない……。  失うのが怖くて、誰にも心を開けなくなっていたから。 「……そうだよ! 私に友達の一人もできないのは、全部晴馬のせいなんだから!!」  突然、怒りが爆発した。
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