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昂った気持ちが暴走するとこうなるのか……。
晴馬は遠慮なく私の胸板に顔を埋めて笑っていた。
恥ずかしさで絶叫しそうになると、私の様子にやっと気付いたのか「ごめん」と小さく言うといきなり初キスをされてしまった。誰が見ているかもしれない車中での突然のキスに、私はもう固まって動けない。
しかも、そのキスは唇を唇で噛むという仕草から始まって、温かく湿った晴馬の舌が私の唇を舐めていた。
カッと顔が熱くなる。
抵抗したいのに体が言うことを聞かない。
「目を閉じて」と、甘い声で命令されてしまった私は素直に目を閉じた。
―――― なんだこれ……。
まさか、本当に……夢じゃないよね?!
そう思いながら押し入ってきた彼の舌先が自分の舌先に触れて、ブルっと身震いした。
「はっ、いっけねぇ!」
突如、目を覚ましたように晴馬が言うと、私をやっと解放してくれた。
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