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あの頃よりも大人の顔になった晴馬が、見た事がないような瞳の色をまとって私を見下ろしている。しっとりと濡れた漆黒はまるで水鏡のようで、そこにはやっぱり見た事がない自分が映し出されていた。
惚けて赤らんだ顔の自分は無防備な女の顔をしている……。
そっと開いた唇の割れ目に遠慮がちな晴馬の舌が触れる。
少しずつその誘いに応えようと、恥ずかしくて不安で泣き出したい気分をぐっと抑えながら私は自分の舌を突き出した。すると、あっという間に舌先を吸い上げられたのを機に開いた口の中へ鋭く固い男の舌が入ってくる。
「んんっ!!」
こんなキス……!!
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