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私は必死だったので、その老人の家までついていき、
「あるんですか! あるんだったら、その方法とは何ですか?」
その老人が言うには、世界に存在する、ある種の植物を十種類あつめて、そのエキスを抽出(ちゅうしゅつ)して与えれば、言葉が戻る可能がある――という事だった。
私は意を決し、会社に長期休暇を願い出た。
会社の社長も事情を汲(く)んで、許可してくれた。
こうして私は、七年かけて世界各国を巡り、老人が指定した植物を集めていった。
が、最後の地――インドに滞在中、とんでもない知らせが入った。
妻の恭子が、心労のため危篤(きとく)だというものだった。
私は、涙を拭きながら、大急ぎで支度した。
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