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私とサヨは、葬儀会場にいた。
サヨは、棺(ひつぎ)に永眠(ねむ)る母――恭子に向かって、
「ママ…… ありが……とう……」
しかし私は、残念だった。
もっと早く、この方法が分かっていたら、家族の楽しい会話が出来ていただろうに……。
妻の葬儀も無事に済んだ、翌朝……
サヨはニッコリ笑顔で会釈してから――真顔で、
「これからは……パパじゃなくて あなたって……よんで……いいですか?」
考えてみれば、二人に血のつながりは無いのだ。
そして私もサヨに、特別な感情を持ちはじめていたのだった。
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