裏史実

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「ま、待たれよ! 貴様、武士であるな? 我は弁慶。 ここを通すわけには参らぬ! 大人しく元来た道を戻られにょ」 言うことは一丁前。だが、明らかに義経の容姿に動揺しており、語尾を噛んでいる。 ーー何かの悪戯か。 他に思い当たる節もなく、そのまま進む義経。 橋を完璧に渡り終える時には、弁慶と名乗る少女は、ほとんど目の前にいた。 その時……。 「やぁ!」 間の抜けた声とともに、弁慶が薙刀を降り下ろした。
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