これは死亡フラグですか?

1/7
672人が本棚に入れています
本棚に追加
/268ページ

これは死亡フラグですか?

 俺は羽瀬(はせ)(わたる)。二十一歳。  ついさきほどまで、王都にいました。  え?日本人じゃないのかって?日本人ですが何か?  忘れることの出来ない五日前。彼女に振られて、フラフラと家に帰る途中で、俺はさらに奈落が有ると知った。  地面が唐突に消え失せたのだ。まさに奈落へ落ちるとは、こういうことか、と実感いたしました。  いや、実際は、世界を渡ってたんだけど。しかし、落下感はひどかった。気持ち悪かった。そんで怖かった。  いわゆる、異世界転移って奴ですね、わかります。とか生きてた俺は思いました。しかも、神官による召喚系で、魔王討伐の為に、勇者を召喚したらしい。  でも俺を見た瞬間に眉根を寄せたなんか偉そうな人は「こいつは勇者ではない」とか言い出してくださいまして。実際俺も、勇者です。とか名乗る気は全くないので、そこは良いんだ。  良くないのは、その後。  それでも召喚に応じられたのだから、と神官は俺には魔力が有るんじゃないか。とか言い出した。     
/268ページ

最初のコメントを投稿しよう!