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「なんで毎日外で遊んでるの? 今なんか、寒いのに」
「んー、もともとは、五月の球技大会あったじゃん? あれのための練習。知らない人ばっかりでいきなりやっても難しいから、遊びでいいからやろうって清澄がいいだして。球技大会終わってもなんか楽しくってさー」
「そうなんだ? てっきり、言い出しっぺは堂本君かと思ってた」
「ううんー、俺、盛上がるのは好きだけどそうやって言い出しっぺ! みたいなのは苦手。統率力ないから。俺が言うと楽しいからやろうよ! っておしつけがましくなっちゃうし。清澄はすごいよー。おしつけがましくない程度にみんなに声かけてさ。運動苦手な子とかやる気がない子にもけっして強制はしないで、でもさりげなくからめとっていく感じ? 上手く言えないけど。うちのクラスが球技大会で勝ったの、清澄のリーダーシップのおかげだよ」
「へー」
ほんの少し意外だった。堂本君がぐいぐいひっぱっていっているんだと思った。
「だから俺、清澄のこと尊敬してる」
そう言って屈託なく笑う。
「なんか……、いいね。仲良くて」
「うん」
子どものように頷く。一緒に、胸元のアクセサリがはねた。光る。痛い。
それをそっと指差し、
「……ねえ、堂本君、それ、カノジョ?」
意を決して、小声で聞いてみると、堂本君はものすごく嬉しそうな顔で笑った。眩しい、なー。
「そー、お揃い! いいでしょ?」
「幸せそうだねー」
「うん」
顔中を笑みにして
「超幸せー!」
本当に嬉しそうに言う。痛い。
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