引き立て役だなんて思ってないよ

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 話の続きは聞きそびれたままだったけれども、佐野君があの日何を言いたかったのかは、数日後に判明した。  堂本君にカノジョが出来たからだ。  美優教えてくれた情報によると、どうやら堂本君の方がベタ惚れで、ずっとアタックを続けていたらしい。それこそ、六月頃から。  目立つ系じゃなくて地味な感じの、無口で無愛想な子らしい。顔は可愛いらしいけど。  私も見かけたことがある子だ。よくは知らないけど、図書室で静かに本を読んでいた。長い黒髪の、私とも堂本君とも似ていないタイプの子。  なんだ、頑張っても無駄だったんじゃん。堂本君には好きな子がいて、しかも私とはタイプが違うなんて。  ポケットの中のケータイが震える。佐野君からのメール。 「放課後生徒会室にいる。必要だったらだけど」  今日は生徒会ない日なのに。必要だったら、という言い回しに気を使ってくれているのを感じる。真面目だなぁ。  小さく息をはいた。
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