Act.4 君だからこそ

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「それ、ヤダって言える訳ないよね」 「……そう?」 「だって……そんな嬉しいこと言われたらヤダって言えないよ」 「司……」  ぷしゅ、と照れ臭そうに笑って潤んだ目を伏せた司の、目元が赤く染まっているのが妙に色っぽいのに可愛くて困る。  妙な気分にドキドキしながら手を伸ばそうとしたら 「だけどホントに約束して。こんなこと、もう二度としないで」 「……ん」 「ごはんとか、足りなくなったら言って。作りに来るから」  きゅっと噛んだ唇と真剣な眼差しが心からの心配を伝えてくれるから、分かった、と真面目に頷き返す。  ようやくホッとした顔になって笑った司の顔を見て、ふと思い付く。 「………………じゃあ、オレからもいい?」 「うん?」  キョトンと首を傾げた司に、そっと笑ってみせて。 「もっと、いつでも来て。約束してなくたって、いつでも」 「そうま……」 「今日、司に会えてめちゃくちゃ嬉しかったから」 「…………じゃあ、ちゃんと食べてるか確認しに来る」 「食べるよ、ちゃんと」  司が作ってくれたんだから、と付け足してキスを一つ。 「…………お腹空いたなぁ」 「…………でももう2時だよ?」  困り顔の苦笑に、じゃあ朝まで我慢すると笑って見せてから 「寝よっか。司もさっきまで床に座ってて、しんどかったでしょ」 「だいじょぶ」 「嘘ばっか。……でも、ありがとね。ホントに嬉しかった」 「ん」  照れて笑った司にもう一度キスをしてから、仲良く布団に入る。 「おやすみ司」 「おやすみ」  呟きに返ってきた眠そうな声の後でゴソゴソと体勢を変えた司が、ぴとっとオレの右側にくっつくのが可愛い。  くしゃくしゃと頭を撫でたら、ここ最近で一番スムーズで穏やかな眠りに就けた。
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