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「あ、あったあった!」
数ヶ月ぶりに帰ってきた実家の自室で、私はクローゼットの中に入っていた。
ドアの向こうでは楽しそうな声が聞こえてきて、私も早く戻ろうと見つけたものを抱えてリビングへと戻った。
「お母さん、お父さん見つけたよ」
大きめの紙袋を二重にしてお目当のものを3冊入れ、リビングに持っていくと両親は嬉しそうに目を細めた。
静かにコーヒーを啜っていた聖司さんも嬉しそうな笑みを浮かべている。
「あら、良かったわ!それよりも実晴、聖司さんってとってもいい方ね」
「あぁ、実晴にはもったいないぐらいの人だ」
そんなことないですよ、と困った顔で謙遜する聖司さんはいつもと違う顔を見せてくれて、この人と本当に結婚するんだなぁとなんだか実感した。
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