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「聖司さん…」
「今日、実晴の家に挨拶に行って御両親に会って、思ったんだ。
実晴となら、明るい家庭を築けるって」
「…えっ、どうしてですか?」
聖司さんの心臓の音だけじゃなくて、私と同じ洗剤を使ってるのになんだか少し違う香りにくすぐったさを感じる。
聖司さんの胸元でモゾモゾしてると右腕を腰に回され、左手で顔を上に向けられた。
ぱちっと聖司さんと視線が絡み合う。
「実晴の人柄とか、やっぱり御両親から教育を受けてるからなんだなって実感した。
そういう実晴に惹かれて、今こうやっていられる、それ以上に幸せなことなんてないよ」
聖司さんは買いかぶりすぎだ。
私はずっと実家っていうぬるま湯に浸っていて、大したことなんてできないし、そんな褒められるような人間でもない。
「聖司さんは、私を高く評価しすぎですよ」
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