恋と冷やし中華はじめました。

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キーンコーンカンコーン。 いつもと同じように昼休みを告げる鐘の音がなる。 ずっと、パソコンの画面を眺めていて目も疲れたし、肩も凝っていた。 だが今日は、いつになく順調に仕事がはかどった。 昨日は、新人のミスを尻拭いして作業が予定より遅れたのだ。 今日は、その分を取り戻そうと朝から気合いを入れて来た。 そのかいあって、良いペースで仕事が出来た。 それだけに午前中の仕事だけで身も心もヘットヘトになった。 座りっぱなしで軋む体を無理やり動かし背中を伸ばす。 スッキリしたところで勢いよく部屋を出た。 颯爽とリズミカルに歩き、エレベーターに乗り込む。 今日は、なんだか良い日になりそうだ。 嬉しさを噛み締めていると、不思議と口角が上がる。 エレベーターは、目的の階へと着いた。 入社当時からお世話になっている社内食堂。 メニューも新発売や期間限定の物以外は、ほぼ覚えている。 もちろん、全メニュー一度は必ず食べている。 その頭の中にインプットされているメニュー表から、事前に食べたい物を選ぶのが、いつものパターン。 今日は、無難に日替わり定食にしようかと考えていたところで、普段なら無いはずの貼り紙が食堂のドアに貼り出されていたのを見た。 そこには、『冷やし中華はじめました。』とシンプルに太字印刷をし文字が大きく見える。
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