蛍火の言葉

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大好きなあなたが亡くなって、私は画家と見合い結婚をした。 生きることはどうでもよく、体は弱り床に伏すばかりでも構わなかった。 ただあなたを散骨した、あの場所にいけないことだけが寂しかった。 8月、画家は一枚の絵をくれた。 空に舞い上がる沢山の蛍が描かれた、あなたのいたあの沢だ。 「君にどうしてもこの景色を見せたくて」 ごめんなさい。ごめんなさい。 私はやっと少しずつこの人と知り合って、そして少しずつ夫婦になる。
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