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休み明けの月曜日、後藤の顔を見た嶋田は全てがうまく行ったことを察した。そのまた後日、あのブロンドの彼女を紹介され「先輩の好きなところは?」と嶋田がこっそり彼女に尋ねると、声をかけられた時に体が痺れたのよ。と彼女は少女のように頬を染めた。ちなみに専門職という予想だけは合っていたようで、彼女はフラワーデザイナーらしい。
ほらね、やっぱり女は耳で、男は目で、先輩は鼻で恋に落ちたんじゃないか。
「俺も香水とかつけてみようかな」
そう呟いた嶋田に、彼女は自身がつける香水を彼にひと吹きした。
「これはね、青の一瞬という名の香水なのよ。ユニセックスだからあなたでもつけられるわ」
嶋田から立ち上る香りに後藤が鼻を寄せる。
「君がつけた時と違うんじゃないか?」
「それはそうよ。香水はつける人の体温や、環境によって香り方が違うもの」
あなたにも素敵な出会いがありますように。彼女は美しく微笑んだ。
《完》
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