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雛野町。
都心からやや離れた山間に位置するその町は、50年前までは過疎が進んでいた、とても小さな集落だった。
しかし今では人がいなくなるどころか、駅前にビルがところ狭しと立ち並ぶ大きな町へと発展している。
そんな急成長を遂げた理由。
それはこの町が、50年前の『善の魔女ソーサレス』と『悪の魔女ウィッチ』の戦いにおいて、ウィッチにトドメを刺した伝説のソーサレス『雛野 日和』の住んでいた町だからだった。
命を賭けて自分達を救ってくれた彼女に何か恩返しがしたいと思った人々は、日和に何か願いはないかと訊ねた。
すると日和は、過疎化の進むこの雛野町を、元気な街にしてやりたいと答えた。
彼女に助けられた人々はその願いに応えることで恩を返すため、皆で協力してあの手この手で雛野町の発展に力を尽くし、やがて今に至るのだった。
そうして急成長を遂げた雛野町に、俺こと大空 光は住んでいる。
俺は残念ながらソーサレスではないから魔法は使えないけれど、この町は50年経った今でもソーサレス達に優しくて、俺はそんなこの町のことが昔から好きだった。
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