1.実里のお願い

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「うう……荷物が、重いです…………」 「ん?」 学園から帰る途中、どこからか、困っているらしき女の子の声が聞こえた。 何だろう……少し気になる。 その声の方へ向かうと、『雛野神社(ひなのじんじゃ)』へ続く階段の下へ辿り着いた。 雛野神社は、伝説のソーサレスである雛野 日和の住んでいた神社で、今では平和の象徴として扱われている。 そしてそんな立派な神社への階段の下に、声の主はいた。 「うう……調子に乗ってお買い物しすぎちゃいました…………」 見たところ同い年くらいだろうか。 身長は150cm少しくらい。赤髪のロングヘアーと、同じく赤い瞳。そして俺と同じ学園の制服を着ている彼女の手には、驚くほど大量の買い物袋があった。 「大丈夫?」 「あ……す、すみません、だ、大丈夫ですからっ 。よい、しょ……っ! …………はぁ、はぁ……うぅ。疲れました……」 …………これは無理そうだ。 「俺、持つよ」 「あ、でも、悪いです……」 「さすがにその大荷物でこの階段は無理だよ。ほら、貸して」 「……ありがとうございますっ!!」 赤髪の子はぱーっと輝く笑顔になって、ぺこりとお辞儀した。 受け取った袋は一つでもかなりの重さだったけど、決して馬鹿力ではない俺でも、なんとか運べるレベルだった。 バランスを崩さないよう、慎重に階段を上っていく。
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