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挟み込まれ逃げ場はない。
身動きの取れない沈黙。
伏し目がちの僕の視線だけ
不自然に左右に揺れる。
「顔を洗ってきます……」
「そのままでいいさ」
「でも……」
一刻も早く逃げ出したくて言ってるのに。
「十分綺麗だ」
冬馬は有無を言わせず首を横に振る。
「いや、そんな……」
僕の片えくぼがへこむ度
2人は申し合わせたように柔らかく
僕の肩に髪に指先に触れた。
「お腹すいた?」
「……はい」
反応を確かめ楽しむように
緊張した子供をあやすように優しく
「それじゃ何でも食べないと」
「ン……」
それでいて強引に――。
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