第3章

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由莉は僕の髪をすくいながら 顎先に手をかけると 「飢えた顔も見たいけど――」 「え……?」 「与えたがるのが男さ」 今にも唇を重ねそうなところまで顔を近づけて囁く。 「あの……」 繊細で気怠い彼の瞳は 既に僕の唇しか捉えてはおらず。 このままじゃ――。 面と向かって拒絶もできない僕は キスを受け入れるしかなくて。 (どうしよう……) 思っていたら――。 「いてててっ……!」 冬馬が思い切り 血迷った弟の耳を引っ張り笑顔で言った。 「着替えたら食堂においで――いいね?」
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