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「なんだよ!放せっ……!」
「いいから来い……このせっかちが」
あの2人――。
彼らが部屋から出てゆくと同時。
「はあ……」
濃密な空気から解き放たれた僕は
どっと力が抜けてベッドに座り込んだ。
「着替えて朝御飯か……」
ぼんやり部屋を見渡す。
ワードローブの中には
揃いのハンガーに掛けられたシャツやスーツが。
これでもかという数
ぶら下がっているのが見えた。
「あ……」
それらはみなここにいる間
響也が着ていたものだろう。
手に取ると分かる。
どれも響也の分身のように
しなやかで品が良く柔らかい。
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