第3章

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「なんだよ!放せっ……!」 「いいから来い……このせっかちが」 あの2人――。 彼らが部屋から出てゆくと同時。 「はあ……」 濃密な空気から解き放たれた僕は どっと力が抜けてベッドに座り込んだ。 「着替えて朝御飯か……」 ぼんやり部屋を見渡す。 ワードローブの中には 揃いのハンガーに掛けられたシャツやスーツが。 これでもかという数 ぶら下がっているのが見えた。 「あ……」 それらはみなここにいる間 響也が着ていたものだろう。 手に取ると分かる。 どれも響也の分身のように しなやかで品が良く柔らかい。
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