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僕が知りたいことだらけなのは分かってて。
冬馬は講義さながら試すように尋ねる。
緊張でろくろく味のしない朝食。
「僕が知りたいのは……」
本題に入るべきだろうか。
しかし僕が聞きたいのは
知り合ったばかりの人間に向かって
なかなか口に出せる事じゃなかった。
「いいです。やっぱり自分で読み進めます」
「本当に?」
作り笑いの片えくぼがまたへこむ。
ばれないように僕はそっと頬に手をやった。
と――。
「由莉――この後ちょっと頼まれてくれないか」
「あ?」
僕に視線を定めたまま冬馬が抑揚のない声で言った。
「学部長に書類を届けて欲しいんだ。僕は家でやることがあるから」
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