第3章

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「まさかこんなにたくさん書いてあるとは思わなくて」 「長さはドストエフスキーで中身はプラトンだ」 「たしかに」 「俺は最初の2,3ページで挫折した」 由莉は鼻に皺を寄せ子供みたいに笑うと 「おまえの兄貴、頭がどうかしてる!」 日記帳を投げ出して ベッドにゴロンと横になった。 「おまえ知ってたか?」 「え?」 透き通るようなブロンドが 朝日を受けてベッドカバーに波打ち広がる。 「あいつにこんなに言いたいことがあったって――」
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