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「まさかこんなにたくさん書いてあるとは思わなくて」
「長さはドストエフスキーで中身はプラトンだ」
「たしかに」
「俺は最初の2,3ページで挫折した」
由莉は鼻に皺を寄せ子供みたいに笑うと
「おまえの兄貴、頭がどうかしてる!」
日記帳を投げ出して
ベッドにゴロンと横になった。
「おまえ知ってたか?」
「え?」
透き通るようなブロンドが
朝日を受けてベッドカバーに波打ち広がる。
「あいつにこんなに言いたいことがあったって――」
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