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僕は無言で首を横に振る。
響也は自分の胸の内を表に出す人間じゃなかった。
いつも控え目でニコニコして。
怒りをあらわにすることも
誰かを批判することも滅多になかった。
昔から口数は多くなかったけれど
美しい外見そのままの
純粋で穏やかな性格はみんなに慕われ愛された。
『長男は大人しくて天使みたいにいい子――次男はまあ、末っ子そのものよ』
物心ついた時から
それが母の口癖だった。
だから――。
響也の中に
こんなにも埋もれていた言葉があったなんて。
「知らなかったし……驚きました」
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