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自分では特別仲のいい兄弟だと思っていた。
それを気に病むことさえあったほど。
だけど本当は響也のことなんて
僕は何も分かっていなかったのかもしれない。
「ま、ゆっくり読めばいいさ。時間はたっぷりある――」
しんみりした僕に甘い声で囁いて
由莉が半身起こした――その時だった。
「待て!待てったら……!」
「え?」
騒がしい足音と共に
部屋に飛び込んできたものは
「く、孔雀?!」
羽を広げた巨大な雄孔雀。
長い足でベッドの周りを駆け回り
「う、ウソでしょ……!」
パニックを起こしたように宙を飛ぶ。
「このっ……少しくらい言うことを聞けよ!」
次いでそれを追って冬馬が姿を現した。
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