第3章

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孔雀は聞いたことのない声を上げ 「わ……!」 「危ない!蹴爪で蹴られるぞ!」 バサバサと長い尾を揺らしながら 僕らのいるベッドに突進してくる。 「何なんだよっ……朝っぱらから!」 衝突すれすれ。 僕はかろうじて由莉のガウンの下に守られ その隙に 「ほら、行けよ!行け!」 冬馬は部屋の窓を開け放ち 孔雀を追い出そうとクッションで尻を叩いた。 興奮した孔雀は鋭い嘴でクッションを突き回し 「こいつっ……!」 仲間の真っ白な羽毛を部屋中にまき散らしてから 恐竜みたいな脚で窓枠を蹴って外に飛び出していった。
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