第3章

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冬馬は明後日の方を向いたまま 唇を尖らせてしばらく黄昏ていたが。 「おい、サイコ!」 呆れた弟に枕を投げつけられると そいつをキャッチして 「失敗したんだよ!廊下の剥製とあいつを取り換えて汐里をびっくりさせようとしたんだけど――」 逆切れしたように声を上げた。 「失敗した!剥製を見た途端あいつびびっちゃって大暴れしてさ」 「あったりまえだろ!逆の立場だったらって考えてみろよ?」 あくまで孔雀の味方みたいな顔して 「朝起きて気分よく散歩してたら突然捕まって、人間の剥製と鉢合わせさせられんだぞ?普通に怖えだろ?!ああ?」 舌打ち交じり由莉は捲し立てた。
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