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お母さんが出してきたホールのケーキには、大きめのロウソクが2本立っていた。
「20歳だから、1本10歳で、合わせて20歳ね」
お母さんが言う。
「じゃあ、私とはーちゃんで、1本ずつ消そ」
美月が目を輝かせて言った。こういうイベントごとが大好きだから、嬉しいんだろう。
「ほら、ふーってやって、はやくはやく」
お母さんまで子供みたいにはしゃいで、なんだか可笑しかった。私と美月は目を合わせて、微笑んだ。
「せーの」
2人で同時に息を吹いた。私の方のロウソクは消えたが、美月の方はうまく消えなかったようだ。
「きゃー、失敗しちゃったぁ。ね、はーちゃん、こっちも消して」
美月がケタケタ笑う。
「もう」
私もつられて笑いながら、もう1本のロウソクを吹き消した。
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