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行きたいところか、どうしよう、と考えて、パソコンで調べることにした。広川はスポーツが好きだから、一緒に運動できるところがいいかもしれない。いや、私の誕生日のお祝いだから、私がしたいことの方がいいのかな。でも、広川となら何しても楽しそうだな。そんなことを考えていると、
「なになに、はーちゃん、デートなの?」
後ろから、美月が覗き込んできた。
「…びっくりした。デートじゃないよ」
「でも、出掛けるんでしょ?広川君って人と一緒に」
「何で知ってるの?」
「メールきてたじゃん。あ、見たんじゃないよ。見えちゃって」
見えちゃってって、いつからいたの。そう言おうとしたが、やめた。美月はよく勝手に私の部屋に入ってくる。
「ねぇ、広川君て、今日食堂で一緒にいた人?」
「それも見てたの」
「うん、私も食堂にいたの。やっぱり、あれが広川君かぁ」
私は嫌な予感がしていた。美月の性格を知っているからだ。
「けっこう、カッコイイよね。私も友達になりたいな。はーちゃん、紹介してくれない?」
予感は的中した。紹介なんて、いやに決まっている。同じ見た目でも、男の子はみんは美月を好きになる。今までずっとそうだったのだ。広川には、そうなってほしくない。
「今度ね」
私は作り笑いでそう言うと、パソコンの画面に向き直った。
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