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抜ける様な北方の蒼い空。
二頭のドラゴンが旋風を巻き起こし疾風の如く翔る。
下は大海原、蒼き海洋。
多くの海洋生物や激しい海流が蠢く自然の驚異。
そして、クルド達はその大海原に落ちないようドラゴンにしがみついていた。
二頭のドラゴンは人の想像を絶する速度で空を翔ていた為、クルド達も必死になってしがみついていた。
その二頭のドラゴンを操るシュウザとリオは平然とした顔で前方を眺めていた。
「シュウザ、少し速度を落とせ!!」
と言うクルドの声も、風に流され蒼い空に置き去りにされてシュウザの耳に入らなかった。
不意にクルドは後ろを振り向き、顔を青ざめさせて慌ててエストの襟首を掴む。
「エストーー!!…寝るなぁーー!!…死ぬぞーー!!」
その怒鳴り声も、やはり風に流されていくが、クルドの脳裏にレオの声が響く。
(いや、エストは寝てるのでは無く気絶しているのだが……)
どこか呆れた様にレオはジト目でクルドに思念を送った。
(寝てようが気絶してようが意識が無い事には変わりは無い!!……冗談抜きに死人が出るぞ!!)
クルドは焦燥の思いでレオに思念を返した。
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