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クルドとレオが思念を送り合っている間に二頭のドラゴンの飛行速度が緩やかな物へと変わっていった。
シュウザが後ろを振り向く。
「クルド、北方大陸が見えてきた…………なんか、酷い有り様だな」
シュウザは苦笑いをあげて言った。
「まぁ……な……起きろ、エスト!!」
クルドはエストの頭を叩いて起こす。
エストは軽く呻きながら目を覚ました。
「うぅ……ここは?」
若干寝惚けながらエストは呟いた。
「見ろ……じきに北方大陸に着く」
クルドは前方に見える大陸棚を指差して言う。
「やっと着くんですね……アレが厳冬の大地、北方大陸」
少し緊張気味にエストは呟く。
すると、レーザードラゴンと並走する様に飛行しているソニックドラゴンの背からユートが声を掛けてきた。
「厳冬って言うわりにはあまり寒そうじゃないね」
北方大陸を見ながらユートが首を傾げて言った。
「言われてみれば……ここまで北方大陸に近付いているんだ……寒波が押し寄せてもおかしくない筈だ」
西方大陸に比べて涼しくはあるが、特に肌寒さを感じない事にクルドは違和感を覚えた。
「……クルド、大陸の上空を見てみろ」
レオに促されてクルドは大陸の上空に目を向ける。
そして、クルドの右目に大陸の上空から強い熱源が映った。
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